首のしこり(頸部の腫瘤)は、脂肪の塊(脂肪腫)、筋肉のこり、リンパ節炎、腫瘍と考えられます。脂肪腫は珍しくないものです。子供の首のしこりで多いのはリンバ節炎です。
首にしこりを見つけたときは病院での診察を受けてください。徐々に大きくなる首のしこりは放っておかないで必ず病院で検査をしてもらうことをおすすめします。病院では問診・視診・触診がメインで、首のしこりの場所や大きさ、首のしこりを触ったときの感じや押したときの痛み(圧痛)の有無・移動性などをみます。尿検査・血液検査やエコーやCTなどの画像検査もあります。
首のしこりの原因
首のしこり・脂肪の塊
脂肪腫と呼ばれる脂肪の塊が首にできて大きくなってくると、首のしこりとして触って容易にわかるようになります。脂肪腫は皮膚の下にできる軟らかい円形や楕円形の柔らかいしこり(こぶ・瘤)です。脂肪腫の殆どが良性ですが、良性の脂肪腫であっても大きくなると、場所によっては神経を圧迫して痛みがあらわれます。
脂肪腫は珍しいものではなく、前腕部・胴体・首の後によくでき、個数も1個から多数まで多様です。脂肪腫は男性に比して女性に多い傾向があるようです。
大きさやしこりができた場所によって手術(切除や吸引)が検討され、日帰り手術が可能なケースもあります。
首のしこり・リンパ節炎
首のしこりの多くがリンパ節の腫れで、リンパ節が感染によって炎症を起こしている状態です。子供に多く見られます。首の皮膚の下の浅いところに米粒ほどの大きさのリンパ節がたくさんあって、体中に侵入してきた細菌やウイルスを攻撃して体を守る働きをしています。頭や顔の湿疹や喉の炎症(咽頭炎や扁桃炎)や虫歯の炎症などが広がると、首のリンパ節(頸部リンパ節)が感染が広がるのを防ごうとするときにリンパ節炎がおこります。もともと存在した嚢胞(先天性頚嚢胞、液体がつまった袋状のもの)が炎症や感染症で腫れあがることがあります。
リンパ節炎の多くはそれほど心配する必要はないといわれていますが、次のような症状の場合は、早々に検査が必要といわれています。自己判断せずに病院の受診をしてください。
○首のしこりを押すと痛みが強い
○首のしこりが人差し指大より大きく、しこりの数が多い
○首のしこりが急速に大きくなった
○首のしこりの動きが悪い
首のしこり・甲状腺疾患
甲状腺の異常で首にしこりが現れることがあります。首の前部の腫れやしこりで考えられる病気としては、甲状腺疾患であるバセドウ病、橋本病、甲状腺がんなどがあります。女性に多い病気です。
甲状腺の機能が亢進したり低下すると甲状腺機能亢進症(バセドウシ病が代表的)や甲状腺機能低下症(橋本病が代表的)になります。甲状腺細胞の異常増殖による腫瘍性の病気もあります。甲状腺の腫瘍には良性と悪性があり、良性腫瘍が多いといわれています。
※甲状腺とは、のどぼとけの少し下にあって、蝶が羽を広げたような幅約4cm厚さ1センチ重さ15gの平たい臓器です。正常な甲状腺は柔らかく外から触ってもわかりません。
首のしこり・悪性腫瘍(癌)
癌(ガン)によりリンパ節が腫れて、首のしこりが現われることがあります。リンパ節そのものが癌化するリンパ腫と、他の臓器などでできた癌がリンパ節へ転移したケースが考えられます。
悪性腫瘍(癌・ガン)が首のリンパ節に転移してリンパ節が大きくなった転移性リンパ節は、リンパ節炎のような痛みはないようですが、口・喉(咽頭・喉頭)・甲状腺の腫瘍がもとにあることが多いといわれています。
首のしこりが徐々に大きくなる場合は、病院での診察・検査を受けることが必要です。未分化癌といわれる悪性腫瘍は日や週の単位で大きくなるので、この場合は即刻病院での検査を受ける必要がありあます。

